今回紹介するのはミズノウォーキングシューズ[LD40ZERO(ゼロ)]
コンセプトは
「カジュアルなのに しっかり歩ける大人のスニーカー」
今までのウォーキングシューズの機能とスニーカーライクなカジュアルデザインを併せ持つ一足です。
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ミズノ LD40zero
今までのウォーキングシューズは機能性を考えてファスナーや、底材のクッション機能などが重視されファッション性は低いものが多く、年配の方が履くイメージが強く出ていました。
今回発売されたLD40ZERO(ゼロ)はフォルムをスニーカーに近付ける事で、普段のカジュアルな装いに合せやすくなり、アニリン染めによる本革の発色が靴の質感を高め、品の良い高機能性なカジュアルシューズ・高性能なレザースニーカーになっていると思います。
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LD40zero デザイン
LD40シリーズは今まで「スワール」(甲に二本の縦線)のデザインを使用し、革靴らしさとデザイン的に「スマート」に見えるように工夫されてきましたが、お客様の認知度が上がるにつれ、ファスナーつきのスワールのデザインがミズノに限らず、ウォーキングシューズの定番的なデザインとしても定着してきました。
同時に年配の方が履く靴としてのイメージも定着しているようにも思います。
消費者の意識としても、LD40クロスをお求めの若年層の方は多いのですが、LD40Ⅳは若年層の方におすすめしても「年配の方の靴」と敬遠される場合がほとんどです。
今回、発売されたLD40ゼロはおすすめしなくても30代から40代の方がよく手に取られる。
「色味」のせいもありますが、綺麗目に見える革のスニーカーとして見ていただいているようです。
また、ファスナーをなくした事が良いイメージチェンジ(?)になったかと思います。
LD40の顧客(年配)の方は脱ぎ履きの簡単なファスナーありを希望される方が多いので、年配の方や、LD40ユーザーには一部不評ですが、ファスナー付を敬遠されていた30代・40代の方の評判はとても良い。
ミズノLD40zero (アニリン染め)
LD40ゼロの特徴でもあるアニリン染めの甲革ですが「色」の発色がとても良い。
特にブラウンの発色は秀逸!
この価格の靴で良く、この色が出せたなと感心しました。
ブラウンとネイビーはアニリン染め特有のしっとりとした透明感がよく出ている。
発色も綺麗で申し分ないと思います。
ただ、お手入れはとても難しい。
昔は高級紳士靴によくアニリン染めが使用してありましたが、まさにこの茶色!
水染みが出来やすい。
アニリン染めでも濃い色は目立たないのか、色素の関係なのかわかりませんが、この手のブラウンは頻繁に染みの相談を受けていた気がします。
薄い透明な膜の下に染みが出来ている状態なので手直しは、ほぼ無理でした。
LD40ゼロのブラウンも同じような現象が起こるものと予測されます。
実際に防水スプレーですら染みになりかけました。
先にアニリンカーフクリームを塗っていたので事なきを得ましたが、そのまま直接ふっていたらおそらくまだらの染み痕になっていたと思います。
風合いを長く保つにはアニリンカーフクリームでのこまめな手入れが必須かもしれません。
お手入れを続けていただければ透明感は少し落ちてきますが、代わりに独特の風合いが出てきます。
これもアニリン染めの特徴です。
大事に手入れをしてやってください。
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アニリン染めについて
アニリン染めとは、革をなめす過程で{アニリン染料}を用いて色を染め上げ、仕上げにわずかに塗料を施した製法です。
アニリン染料は19世紀中ごろに英国で発明されました。
それまでの天然皮革にない「色味」を大幅に増やした「合成染料」の元祖です。
アニリン染めを施すと優れた「発色」と表面の「透明感」が引き立ち、革素材の表情を壊さずきめ細やかで、柔らかな感触を保つ事ができます。
カーフ(子牛)キップ(6ヶ月~2歳までの牛)などの銀面つきの素材や、それらを用いた高級紳士靴のアッパー(靴の外側)用に使用されています。
しかし、透明感を出す事ができるデリケートな表面の扱いが非常に難しく、新品の状態を保つことは非常に困難です。
色落ちや水染みを起こしやすく、革用のクリーナーの使用や軽く水拭きをするだけで染みが出来る場合が多々あります。
お手入れの非常に難しい染め上げの手法の一つと言えます。
アニリン染めのお手入れ
【クリーナーは染みになる可能性が大きい!】
あらかじめ予測して使用したので染みにはならなかったが、普通に使うとおそらく水染みになる可能性が高いと思われます。
特に、最近は水溶性のクリーナーが主流になりつつあるので、水溶性クリーナーを使う場合は注意してください。
また、防水スプレーを振りすぎるとフッ素を靴の表面に定着させる成分が、白いまだらになる物もあるので、振り方にも注意が必要です。
【アニリンカーフ用靴クリーム】
アニリンカーフクリームは薄く伸ばすように塗れば大丈夫でした。
(個人的にはこれが一番おすすめです。)
【デリケートクリーム】
デリケートクリームも大丈夫ですが、柔らかいクリームなので革材に浸透しやすい性質を持ちます。
クリームの付けすぎは厳禁です。
【新品に防水スプレーは厳禁!】
防水スプレーはメーカーや振り方により、まだらになる場合があり、手直しがたいへんです。
LD40zero この靴はおろす前の保護が、かなり重要ですが、たのみの防水スプレーの使用が、あまりおすすめできません。
手入れの方法としては、新品のうちにモウブレイのアニリンカーフクリームで、2.3回手入れをする事。
このクリームには耐水効果があるので新品のうちに、クリームで保護膜を作ることが最善のお手入れ方法かと思います。
後は、こまめにお手入れをしてやる事!
アニリンカーフクリームには汚れ落としの成分も入っているので、おろす前に保護膜を作り、履くたびにそれを修繕してやるといったイメージです。
染みが出来たり、汚れて透明感がなくなってからでは手遅れです。
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ミズノ LD40zero 履き方のアドバイス
LD40ZERO(ゼロ)の機能を100%生かす為に。
靴紐を十分緩めた状態で、靴ベラを使い足を入れます。
靴紐部分「タン」がもぐりこんでいないか確認。
爪先を上げた状態で、かかとを軽く2.3回落とします。(ヒールカップの中にかかとを収めるため)爪先側から紐を締めて行きます。
3段目4段目あたりは靴を少し曲げて締め具合を調整してください。
甲部分は足が前にずれないようにしっかりと固定するつもりで、最後に紐を結んでください。
よく、「靴紐を解かずに脱ぎ履きしたい」とお客様から言われます。が、その様な履き方は「靴」と「足」の両方を痛めてしまうので、おススメ出来ません。面倒とは思いますが、毎回、調整して靴を履く事をおすすめします。(靴も長持ちします。)
LD40zero 靴屋の感想
LD40ZERO(ゼロ)はファスナーなどの機能性よりファッション性重視のシリーズとして、若年層をターゲッツトに発売されていると思われます。
確かに今まで細く見せようとスワール一辺倒だったのが、目線を変えて丸めのスニーカーをベースに、特別なお洒落ではないけれど若年層~中年層のファッションに合うように「色味」も含め洗練されたものになっている。
機能性としてはファスナーと再帰反射が無くなりはしましたが、ウォーキングの心臓部である底材の機能はLD40Ⅳと同じです。
というか同じものがついています。ミズノウエーブ・スムーズライド・X10の機能は健在ですので長距離(Long Distance)にも十分対応できます。
LD40Ⅳの様にウォーキングを主体にしたイメージではなく、機能性の高いレザースニーカーのイメージで見ていただくほうが、ファッションとして服装との合わせかたなどのイメージは広がると靴屋は思います。
綺麗なままの状態をキープするにはこまめな手入れが必要になります。
お手入れの面など少し面倒な部分はありますが、「色味」・「機能性」はとても良いものだと思います。
スニーカーとしてのデザインは普通に見えるかもしれませんが、逆に特別な服装の合わせを考えなくても使えるので、「普段履き」にはもってこいだと思います。
靴屋おすすめの高機能・レザースニーカーです。
稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございます。
掲載した文章はあくまで、紳士靴の販売に携わってきた一個人の感想と推察になります。
知識不足による憶測も含まれていると思います。
医学的な根拠に基づくものではありませんし、ミズノ製品の機能・性能を保証するものでもありません。
あらかじめご了承下さい。
一参考程度になれば幸いです。
御来訪 ありがとうございました。