今回紹介するのは、アサヒメディカルウォーク「10周年記念モデル」甲高、幅広のラストを使用した4Eモデル。
アサヒメディカルウォーク WK M001
アサヒメディカルウォーク「10周年記念モデル」WK M001
製品紹介の前にせっかくの「10周年記念モデル」なので、私の知識の範囲内でアサヒメディカルウォークの歴史を少しお伝えしようかなと、思います。
2006年、約3年の研究開発を経て、「ひざのトラブルを予防する」という全く新たな発想の機能性シューズが誕生しました。
「アサヒメディカルウォーク」です。
アサヒコーポレーションの伝統と製靴技術によって製品化され、2016年多くのユーザーに支持されて、販売累計実績130万足を突破しました。
2003年
ひざのトラブルを予防するシューズの[産学医] 共同開発開始。
2005年
第44回日本生体医工学会「SHM 靴装着歩行時における大腿、下腿の回旋角度」を発表。
ひざのトラブルを予防するSHM機能搭載シューズ「アサヒメディカルウォーク」新機能商品発表。
2006年
「アサヒメディカルウォーク」発売第8回福岡産業デザイン賞、最優秀[テクノロジー賞] 受賞。
2012年
第26回日本靴医学会学術集会にて「SHM機能の臨床効果」を発表。
2014年
累計販売100万足を達成
2016年
第18回福岡デザインアワード優秀賞受賞
[10周年記念モデル「WK l003」「WK M002」]
アサヒメディカルウォーク誕生から記念モデル発売までの簡単な、経緯でした。
10周年記念モデル・アサヒメディカルウォーク WK M001 4E
[アサヒメディカルウォーク WK M001 4E]
[KV30021BR ブラウン] [KV30022 BL ブラック]
サイズ:24.0~28.0cm
アッパー:天然皮革(ソフトステア)
ソール:PUダイレクト/ラバー
ヒール外寸:約3.5cm
オールソール貼替え対応
原産国:日本製
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「ひざのトラブルを予防する」SHM機能
人のひざには、「Screw Home Movement」(スクリューホーム ムーブメント)と言う働きがあります。
これは、[ひざの正常な回旋(かいせん)運動]を表す生体工学用語です。
踵が地面につくとき、太ももの骨(大たい骨)に対し、ひざ下の骨(脛骨)が外側に少し回旋する動きを言います。
この働きにより、ひざへの負担を軽減し、安定性・支持性を確保します。
アサヒメディカルウォークは、健康なひざに備わっている この仕組みを補助する世界初の機能「SHM機能」を搭載しています。(カタログなどより抜粋・引用)
ひざ関節を守る理想的な歩行をサポート
踵の着地時にスクリュー部のフィンが体重圧でたわみ、踏み込むと つま先をやや外側に回旋。
ひざに備わった回旋運動を補助し、正しい歩行を促します。
ひざへの衝撃を分散吸収しやすい構造
踵から着地する際、踵から伝わる衝撃はひざの負担になります「SHM機能」はゴムの弾力で衝撃を吸収。
さらに、スクリュー構造が体重圧を分散し、効率的に負担を軽減します。
ひざを安定させるももの内側の筋肉を有効活用
歩行時のひざを安定させ保護する役目を担うのは、ももの内側の筋肉(内側広筋)。
スクリューホームムーブメントを促すSHM機能は、ももの内側の筋肉を効率よく活動させ、正しい歩行へ導きます。
アサヒメディカルウォーク WK M001 4E・機能
ラスト(靴の木型)
「フットグラファー」*により全国で採取した足型のデータを基に作られた4Eサイズの【フットグラファー・ラスト】を使用。
フットグラファーとはアサヒコーポレーション独自の「足型計測機」です。
ロック式ファスナー
握りやすい持ち手で開閉しやすく、着脱がスムーズ。
ファスナータブ(引き手)を前に倒せばファスナーをロックできて安全です。
また、フィット感を損なわずに歩けます。
リスフランサポート
側面から甲にかけて補強材を配置。足根中足間接をサポートすることで、立脚期からトゥーオフまでの前足部の動きが安定し、歩行を快適にします。
歩行時の足の動き・地面に対して
かかとが地面についた状態を heel contact ヒールコンタクト
足の裏が地面についた状態を foot flat フットフラット
かかとが離れる位置を heel off ヒールオフ
一番最後を足趾離地を toe off トゥーオフ
と、言います。
リアフィットラスト
かかとの上部をしっかり絞り込み、下部は荷重で膨らむかかとをしっかり支持することで、足抜けしにくい形状です。
(カタログなどより抜粋・引用)
かかとの収まりが良い状態を作り出す機能ですが、あくまでサイズ合わせがベストの状態で正しい靴の履き方をしたうえでの話しになります。
リスフランサポート&リアフィットラスト
紐靴はかかとのフィッティングと甲のホールドではき心地が違ってきます。
より良い状態に近づける為の補強材と木型と思ってください。
かかとの被りが多くなるので、当たる場所が出てくるかもしれませんが革もクッションも柔らかいので、足型と木型の相性がよほど悪くない限り問題ないと思います。
アサヒメディカルウォーク WK M001 靴屋の感想
今までの日本製のメディカルウォークからすると、底材の質の違いが一番大きい。
製法はPUダイレクトという製法で、アッパーの下に金型を置き、底材の原料を流し込みながら成型と接着を行う量産品によく使用してある製法ですが、PUのゴム材の配合率が特別なのか、ねばりと強度のあるとても良い底材になっている。
量販店や安いPUダイレクトの靴は内包する空気の割合が多いので、よく言えば「軽い靴」なのですが、底材の中はスカスカの状態なので劣化も早い。
メディカルウォークWK M001の底材は発砲率が少なくゴムの割合が多いのかな?
ねばりと強度はありそうなのですが、正直に言うと「靴が重い」
また、メディカルウォーク2944・2943から比べると、運動性が格段にアップしている。
スタビライザープレートを使用した底材に比べると屈曲性が格段に良くなっている。
メディカルウォークMFより良いと思う。
少し気になるのは同じ底材ながら、WK M002の方が、屈曲性が良い事。
おそらく底材交換が出来る、出来ないで、挟み込むパーツの違いだとは思うのですが・・・
運動性一点に絞って薦めるならWK 002がよりおススメとなりますが、大差はありません。
靴の「かえり」が少し良いという点だけです。
体重をかけたときの安定性はやはり 2944/2943の方が良いけれど、歩くときのストレスはWK M001の方が少ない。
安定性に必要な硬さと運動性に必要な柔らかさが良いバランスで組み込まれています。
それと、日本製だけあって使用してある素材がとても良い。
甲革もしっとりとした感触で、柔らかく肌理の細かい良い革が使用してある。 中張りの布材やクッション材・各部分の縫製は「さすが日本製だな」と、思いました。
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稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございます。
掲載した文章はあくまで、紳士靴の販売に携わってきた一個人の感想と推察になります。
知識不足による憶測も含まれていると思います。
医学的な根拠に基づくものではありませんし、アサヒメディカルウォークの機能・性能を保証するものでもありません。
あらかじめご了承下さい。
一参考程度になれば幸いです。
御来訪 ありがとうございました。 靴屋