紹介するのは「チェントフェリーナ」
「ハンドペイント技法」を使用した「国産」のビジネスシューズです。
ロングノーズの木型にフルハンドペイントで色付をほどこし、絶妙の「色むら感」を演出している「ドレスシューズ」です。
靴屋のおすすめ紳士靴・チェントフェリーナ
ロングノーズの木型にフルハンドペイントで色付をほどこし、絶妙の「色むら感」を演出している国産の「ドレスシューズ」です。
黒はツヤ感の違いはありますが、基本的にムラ感の無い「単色の黒」です。
靴の製法は「マッケイ製法」になります。
靴のかえりが良く、なじみが良いので履きやすい。
マッケイ製法で縫込みをして、革の化粧板を使用しているので「革底」と見間違う方が多いのですが、今回紹介するラインはゴム底になります。
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チェントフェリーナ ブランドの軌跡。
[チェントフェリーナ]ブランドは、「マグナーニ」などの高級紳士靴の輸入を手掛けている会社「オークニジャパン(株)」が100周年を記念して立ち上げた自社ブランドです。
CENTO(チェント)はイタリア語で100を表します。
PATINE/パティーヌ(ハンドペイント)を用いたヨーロッパの色気のある靴を「メイド・イン・ジャパン」で、がコンセプトのようです。
特徴
一番の特徴に挙げられるのが「ハンドペイント」による「色だし」ではないでしょうか、特に茶色は同じ品番でもサイズによって微妙に色ムラの感じが違うので、とても個性的な印象を受けます。
スタイルはロングノーズが中心になります。
すべての品番がロングノーズではないのですが、29000円のロングノーズのラインが売れ筋です。
強調しすぎたロングノーズではなく、適度な丸みを持たせているのでスタイルのバランスが良い靴に仕上がっています。
ビジネスシューズで使用する場合でも、ノーズが長すぎないのでスーツとのバランスがよく靴のシルエットだけが強調されないようになっています。
素材とつくり
靴屋個人からみてですが、靴としての素材とつくりは、製品の価格を照らし合わせた場合、「適正」・「普通」といえると思います。
ハンドペイント用の革材の知識が乏しいので、染め上げの革材とのコストの差が把握できていませんが、「手塗り」という「労力」を考えると安くはないと思われます。
製法は一般的なマッケイ製法で革の底材ではなく、ゴムの底材の縫い合わせになります。
内側は革張りになっています。
中敷に「全敷(つま先まで有るもの)」が使用してあるので、マッケイ製法の糸目が足にさわりません。
ヒールとサイズの刻印がほどこされている「化粧革」を除けば基本に忠実なつくりの靴です。
サイズ
靴屋が接客をした範囲だと、どうも表示より少し大きい気がします。
ロングノーズなので、足が奥に行くこともあるのでしょうが、初めてチェントフェリーナを試された方の半数以上がサイズダウンでした。(おそらく7割から8割の方)
足幅の広い方は横で止まるのでサイズダウンが少ないのですが、足幅の広い方が他のメーカーの靴と同じサイズを履き比べて「楽」と言われるので、木型の幅も広いようです。
ロングノーズのスタイルなので幅がせまいイメージですが、スタイルに反して横幅は広く楽なようです。
おそらく、その分足が奥に行くのでサイズダウンが多いのかもしれません。
サイズが不安なかたは、お近くの百貨店などで試し履きをした上で、そのお店で購入された方が、良いかもしれません。
通販で購入される場合は「サイズ交換」が可能なサイトがよろしいかと思います。
チェントフェリーナ CF1617
チェントフェリーナ【CF1617】は、ストレートチップ、キャップトゥと呼ばれる、一番フォーマル度の高いデザインになります。
ビジネス+冠婚葬祭をお考えの方におすすめのデザインです。
ブラックフォーマルからビジネスフォーマルまで、フォーマル性の要求されるシーンでの使用に一番適したデザインです。
ただし、フォーマルに使用できるのは黒のみになります。
ブラウンはデザインが同じでもフォーマルシーンにはおすすめ出来ません。
色、スタイルともに上品なビジネスシューズとしてお楽しみ下さい。
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チェントフェリーナ CF1618
お洒落の上級アイテム サイドレース。
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チェントフェリーナ CF1619
紐靴以外に、1足は持っておきたい ストラップシューズ。
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チェントフェリーナ CF1882
フォーマル性を兼ね備えた お洒落 上級アイテム ホールカット
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チェントフェリーナ CF1763
ドレスシューズのような綺麗目ローファー
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靴屋の感想
あくまで靴屋の勝手な好みで述べさせて頂きます。
あらかじめご了承下さい。
上品で色気のある靴ではありますが、その分「お手入れ」をしてやらないと、この靴独特の風合いはすぐに損なわれてしまうでしょう。
耐久性・防汚性を重視する方や靴のお手入れに興味の無い方には向かないタイプの靴かもしれません。
靴を大事に扱う方や、お手入れが楽しい方にはおすすめです。
お手入れを重ねる事で独特の風合いがでてくるので、深みのあるよい色合いに仕上がっていくと思います。
耐久性・実用性のある靴は革を顔料や溶剤で固めたものが多く、靴屋からみればここまで革を損なうのであれば、人工皮革を使っても同じではないか?と、思う靴も同価格帯に多く存在します。
このタイプの靴は靴クリームを使用しても表面に乗るぐらいで革への浸透が低く、こすれたキズがぼやけるぐらいで、お手入れを重ねても面白みはありません。
チェントフェリーナの「靴」としての実用性が悪い訳ではないのですが、購入動機としては「お洒落に履きたい」・「メジャーではないが、こだわりの靴がほしい」・「手入れをする価値のあるつくりの靴がほしい」などの方におすすめです。
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お手入れ・保管
ロングノーズの木型が使用してあるので、シューズキーパーは履いた後、必ず入れるようにしたほうが良いと思います。
チェント・フェリーナに限らず、ロングノーズの木型を使用した靴は折れジワ(靴の曲がる部分の甲のしわ)が深く入る傾向にあります。
反り返ったまま放置すると、シワが固まり、型崩れがひどくなります。
シューズキーパーは洋服のハンガーと同じなので、履いた後の靴には入れるように心がけましょう。
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チェントフェリーナ おすすめのシュークリーム
個人的にハンドペイントのチェント・フェリーナに使用した際にツヤの出が良く、相性が良いと思ったクリームです。
ブートブラック(コロンブス)やモウブレイ(R&D)などのスタンダードな靴クリームでお手入れしても問題はありません。
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稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございます。
掲載した文章はあくまで、紳士靴の販売に携わってきた一個人の感想と推察になります。知識不足による憶測も含まれていると思います。
当サイトはチェントフェリーナ(製品)の機能・性能を保証するものでは、ありません。
あらかじめご了承下さい。
一参考程度になれば幸いです 当サイトにご来訪いただき、 ありがとうございました。 靴屋